私たちに向けて

「主はこの契約を私たちの先祖と結ばれたのではなく、今日ここに生きている私たち一人ひとりと結ばれたのである。」申命記5章3節
聖書の申命記は、英語で “Deuteronomy”と書き、「二度目」とか、「繰り返し」という意味がある。この書は、その名の通り、十戒などの律法が新たに繰り返されている内容が記されている。
 なぜ繰り返されるのか、それは当初語られたイスラエルの民が世代が次世代へと移行したためである。指導者モーセは新しい世代にも、改めて神の約束と戒めを語る。
 申命記5章は十戒の二度目の提示がなされる章であるが、その際、説明のために付け足した言葉が上記のみことばである。この契約は誰に与えられたか、それはかつての先祖ではなく、今日ここに生きている私たち一人ひとりであると言う。
 強調されているのは当事者意識だ。神のことばを聞くとき、他人事ではなく、自分に対して語られたことばとして受け止ることができるならば、それは幸いな姿勢だ。聖書は他の誰でもない、あなたに向けて語られている。