モーセの従順

「モーセは主が命じられたとおりに行った。ヨシュアを連れて来て、彼を祭司エルアザルと会衆の前に立たせ、自分の手を彼の上に置いて、主がモーセを通して告げられたとおりに任命した。」(民数記27章22-23節)

 モーセはこれまでも主が命じられたとおりに行ってきたが、この度のそれは数ある従順の中でも際立つものである。モーセは間もなく約束の地に入ろうという時 に、その生涯が終わることを主から告げられ、後継者としてヨシュアが任命された。モーセが約束の地に入れないのは、彼が犯したかつての(人の目から見れば小さな)一つの過ちゆえである。モーセの内心は「一歩でも約束の地に入りたい」というものであった。しかしモーセは主が命じられたとおりに、次の後継者ヨシュアを任命し、自身のバトンを彼に渡したのである。私たちには思い描く計画がある。ここまで来たら最後はわかりやすい祝福をと願う者でもある。しかし神のご計画こそ最善であることを信じて受け止め、自分に託されている主の使命に生きる者とされたい。モーセはその後、イスラエル人が約束の地に入ってから彼らがどこに住むべきかを割り当てる仕事に取り掛かる。約束の地の光景に憧れながら、自らは入ることのできない土地に入っていく人々のために仕えたのである。自身の思いに固執するのではなく、腐らずに主の使命に生きたい。

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