栄えある兄弟姉妹のふるまい

「ユウオディアに勧め、シンティケに勧めます。あなたがたは、主にあって同じ思いになってください。」(ピリピ4章2節)

ピリピ教会への手紙は、これまで「迫害」、「教会の一致」、「異端」の問題について語語ってきた。それぞれに別々の処方箋が必要とされるのではなく、どれもキリストの救いを思い返すことを通して解決に至ることをパウロは述べる。4章からは、急に個人名が挙げられ個人的勧めがなされる。①全体のメッセージに個人への勧めが入る意味。ピリピ教会はドキッとした。特に名を上げられたのが古株の女性信徒であり、中心的働きを担ってきたが今は仲たがいしている二人であったからだ。パウロは、救いの壮大なメッセージに心熱くさせて手紙を閉じたのではなく、その救いを、個々人の傷のついた領域において適用するようにと迫るのである。人事ではない。私にも十字架の救いの恵みを受けた者として変えなければならない関係性があるはずだ。②和解と一致の実現の方法。個人への勧めは文脈からしてキリスト者の栄光のゴールを確認する言葉に続けられている。将来のゴールに比べたら、今の時のぶつかり合う必要が無いことに気付かされる。③協力者の存在。周りは傍観者でいてはいけない。見てみぬ不利ではなく、助けのために労する者となろう。(2020年7月12日礼拝説教より)