2018年4月22日「何を基盤にして生きるか」

聖書箇所:創世記13章10-18
熊久保 公義 師

ロトが目を上げてヨルダンの低地全体を見渡すと、主がソドムとゴモラを滅ぼされる前であったので、その地はツォアルに至るまで、主の園のように、またエジプトの地のように、どこもよく潤っていた。ロトは、自分のためにヨルダンの低地全体を選んだ。そしてロトは東へ移動した。こうして彼らは互いに別れた。アブラムはカナンの地に住んだ。一方、ロトは低地の町々に住み、ソドムに天幕を移した。ところが、ソドムの人々は邪悪で、主に対して甚だしく罪深い者たちであった。ロトがアブラムから別れて行った後、主はアブラムに言われた。「さあ、目を上げて、あなたがいるその場所から北、南、東、西を見渡しなさい。わたしは、あなたが見渡しているこの地をすべて、あなたに、そしてあなたの子孫に永久に与えるからだ。わたしは、あなたの子孫を地のちりのように増やす。もし人が、地のちりを数えることができるなら、あなたの子孫も数えることができる。立って、この地を縦と横に歩き回りなさい。わたしがあなたに与えるのだから。」そこで、アブラムは天幕を移して、ヘブロンにあるマムレの樫の木のそばに来て住んだ。そして、そこに主のための祭壇を築いた。

聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会

 
アブラハムの信仰の姿勢は「天幕をはった」との言葉にも表されている。彼は神を信じてから移動生活を始め、いつでも神のみこころに沿って行動できるようにしていた。彼のこの姿勢はへブル書11章で、地上ではなく天の故郷こそ彼の生きる土地であったと説明されている。
一方のロトは、創世記13章においてその歩みがぶれている。これまでは信仰の父アブラハムと共に生活する中で神を覚えて生きることができていたが、いざ個人として土地選択の決断に迫られると、彼は信仰を全く働かせず自分のためだけに豊かな土地を選ぶ。そこが約束の地から外れているソドムの町を含む地域であることは彼の選択には何の影響も与えなかった。やがてロトはソドムの町の中に居を構えたと創世記19章で記されている。いつの間にか生き方がどっぷりと地上的なものになってしまったのだろう。
私たちはどこに基盤を置いて生きているだろうか。地上のやがては朽ちていくものの上に人生を設計しているのか、それとも神に聞き従う信仰の姿勢が表されているか。後者こそ幸いな歩みだ。